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庭の水撒きをして思うこと~賢い財政支出とは(コラム#015 )

植木鉢のラベンダーは、枯れやすいので水遣りをしているが、地面に生えているカツラの木はそこまで心配する必要はない。水道代も嵩むので、庭木全体にむやみに「水撒き」はしないようにしている。ガソリン補助金に加えて、電気・都市ガス負担軽減策も実施されるそうであるが、所得制限などによって対象を絞らない政策を「バラマキ」という。(ソーシャル・コモンズ代表 竹本)


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 拙宅の小さな庭と植木鉢には草木が少しだけ植わっている。普段は、草花の好きな家人がせっせと水遣りをしている。先週は、たまたま家人が数日留守したので、すぼらな自分が代わりに水撒きをした。


 水遣りは、一日おきで十分であろう。雨も降ってくれるかもしれない。カツラの木や、強いアイビーなどは、流石に夏場とは違うので、しばらくほっておいても大丈夫だ。


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 一番心配なのは、植木鉢のラベンダー。これはさすがに枯れやすいので、キメ細かなケアが必要である。玄関近くにあって様子もわかるので、毎日様子をみながら、やや頻繁に水遣りをした。

 

 最近はガソリンや電気代が目に見えて上がり、日用品の価格改定も目立ってきている。家計を守るため、水道代は節約する必要がある。ちょっと心配だからといって、むやみに庭木全体に水撒きをすることは避けたい。

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 政府は、今年に入ってからの諸物価の値上がりに対して、家計の負担を減らそうと一所懸命である。ガソリン補助金制度では、既に兆円規模が家計に還元されている。つい先日閣議決定された「経済対策等. 物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」では、電気・ガス料金の負担軽減策や、ガソリン補助金の来年1月以降の延長などが盛り込まれた。久しぶりのインフレ到来に悩む庶民に寄り添った、大変ありがたい政策である・・・。


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      (内閣府ホームページより)


 所得制限などによって対象を絞らない政策を「バラマキ」という。


 新型コロナ関連でも、政府は一律10万円を「すべての国民」にばらまいた。なぜ、政府は「水道代」のほぼ全てを借金で賄う状況にありいながら、「カツラの木」や「強いアイビー」にまで広く水撒きを続けるのか。カツラやアイビーの方が、「水がもったいない。家計全体に響くし、借金も嵩むので、さすがにやめませんか!?」とはっきり言ってあげないと、気がつかないのか。


 成長戦略など、どれが「賢い」といえるか分からない財政支出をしないといけない場面は確かにある。しかし、誰がみても「賢くない」ことがはっきりしている政策を続けるのは、いい加減やめるべきである。日本という家計にそんな余裕はない。

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